2013//11/05に行われた『アジャイルサムライ横浜道場 特別編 「見せて貰おうか、KPTの性能とやらを・・・。」~KPTの基本と、その活用法~』のノートです。
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KPTについて
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■KPTとは?
・以下の観点から意見を出すフレームワーク
→Keep
→Problem
→Try
・日本語訳に訳すとしたら?
なんでもよい
・振り返りのときに使うと有効
もちろんそれ以外でも使える
■歴史
・アリスター・コーバーンが日本に紹介
来日時のイベントで始めて使用した
■どんなものか
・分かってくると便利なもの
どこでも使える
・何かやって、やりっぱなしのとき…
「よくない」と大体は思う
→そういう時使うと効果が高い
KPTの例
左上がKeepで、左下がProblem。右半分は全てTry。
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KPTの使い方
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■KPT使い始めの人は…
左から始めていくのがおすすめ
■何を書くか
・keep
続けたいこと
・Problem
不満や問題があったら
・Try
Keepを強化するもの
Problemに効くもの
Keep, Problemに関係なく、工夫したいこと
■KPTのステップ
1. まず個々人の意見を出してみる
2. 全体で話をして、さらに意見を出していく
3. 意見を出したら、Tryの中からいくつか試してみる
4. 試して上手くいったことは次のKeepに入れる
解消したProblemがあれば取る
5. また意見を出してみる…
というのをぐるぐる回す
■ポイント
・TryでうまくいったものがKeepに入っていく
良い行動のナレッジが蓄積され、更に強化される
ナレッジが蓄積されて次に繋がっていく
→これがKPTのフォーマットのメリット
・「振り返り」というと、課題をどうするかという考えが多い
でもKPTはそうではない
→Keepに対してもTryするという視点がある
・駄目なところをよりよくするだけではない
良いところも伸ばすことができる
→あるいは繋がりなく、工夫したいこともTryにいれる
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まとめ
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■KPTは本当に簡単
・3つしかない
工夫して自分の使いやすいように使っても良い
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知見
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■Keep
・書くこと
うまくいっていて次も続けたいこと
よいこと
・Keepを新たに出すときのヒント
Keepを上げるのって難しい、Problemはたくさん出てくる
些細なKeepでも上げることが大事
チームでやるときであっても個人的なKeepを上げてもらう
→それがきっかけになる
みんなが共通のことをあげないという制約はなくてよい
・サイクルを回すと言う意味では、前回のTryを検討することも考える
■Problem
・Problemをどう訳すか
個人的には不満と書くようにしている
→問題点というと大げさ
・ポイント
自分が感じることをまず出すことが大切
→だから不満と言う言葉を使う
未来に発生しそうなことも上げてよい
・上手くいかなくなる代表的なパターン
「xxxをしていない」という行動の否定表現
→ProblemからTryを考えるとき、単なる裏返しにしかならない
→→TryからProblemを見たときに、何が問題なのか分からなくなる
■Try
・書くこと
PからTryに関する線
KからTryの線
ひらめきの線
→3つの視点から考える
・3つから出していって、幾つか選ぶ
■KPTが形骸化するパターン
・全部やる
Tryをたくさん上げて、全部やるとよさそうだ
→振り返るとどれもやってない状態になりがち
→振り返りやっても行動に結びつかないよなあ…
→何の価値も生まない
「効果あるんじゃないの?」というもの
→これに絞って幾つかやるといいと思う
・抽象的なTry
行動できなくなる
→振り返りのどこかの段階で行動可能にブレイクダウンすること
・「しっかりxxx」「ちゃんとxxx」
「見積もりが外れたので、しっかり見積もる」
→「…では、どうするの?」という話
→具体的に
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演習 : KPTを体験
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■個人演習
・フォーマットはなんでもよい
・確認すること
Problemを見て、行動の否定形(~してない)になってないか
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エクササイズ : 行動の否定形になっているProblemを改善してみる
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■1人目
「メールを数時間見ていなかった」
↓
『何が問題だったの?』
『何が困った? 何がありそうだった?』
↓
「返信が遅れた」
↓
『じゃあ返信が遅れないためにどうすれば?』
※「数時間見ていない」だと回数を増やすという話になってしまうけど、ここまでやると選択肢が増える
■2人目
「KPTをマインドマップ風にやったらできなかった」
↓
『できなくて何が困った?』
↓
「KPTが進まなかった」
↓
『もう少し掘り下げると… KPTが進まなくて何が困った?』
↓
「演習が終わらない」
※ここまでやると、『では何すればよかった?』と掘り下げられる
※でも、これは可能性のProblemなのでそもそも難しいかもしれない
■ポイント
・「~してない」はやりがち
これが出てきたら掘り下げる
→裏返しではないTryが出しやすい
・特に個人でやるときは気をつける
気づかないことが多い
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KPTの活用法
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どう使うのかが重要
■ソフトウェア開発での適用例
・アジャイル
チーム単位
毎週、イテレーション毎
・スパイラル
チーム単位
毎週、隔週、イテレーション毎(1-3ヵ月)
・ウォーターフォール
チーム単位
工程毎、プロジェクト毎
・保守業務
チーム単位
案件毎、1ヵ月毎
■ソフトウェア以外
・PMO
毎週で情報共有のため
・総務
隔週で俗人化排除、モチベーション向上のため
・改善チーム
毎週で活動のモチベーション向上のため
・目標管理
半期。KPTの流れで面談を行う
・新入社員研修
毎日。プロジェクト演習の際に実施
・コールセンター
毎日、毎週、隔週。情報共有、モチベーション向上のため
■エピソード : 朝会
・盛り上がらない朝会をきっかけに振り返りを始めさせた話
今の朝会の満足度を指で表現してもらう(じゃんけん表明)
↓
2-3ばっかりで、5がない
↓
「それでいいんですか?」
↓
「よくない」
↓
気になるところをふせんに書いてもらってそこからKPTに流れ込んでいった
■エピソード : バスケチーム
・負けると悪いところばっかり出してしまうのでKPTを使ったらうまくいったという話
KPTではなく次のような見出しにした
→良いところ
→もうちょっと頑張れたと思うところ
→次はどうする?
■KPTのいいところ
・見出しは自由
Tryにつながればよくて、KPT似たような視点で書いてあればなんでもよい
・「"KPT"をやらなければいけない」ではない
それだとKPTを説明しないといけないというプレッシャーがある
・まずは問題からでもよい
「あー、これは問題だね」
→問題意識をみんなで共有できれば振り返りを進めていくことができる
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KPT振り返り
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■KPTはチームで振り返るときに一番効果を発揮する
・振り返りとは
過去の学びを未来に活かすこと
(学びには経験から得られる気づきを含む)
・KPTはカイゼンサイクルのCheck, Act, Planに相当する
・いつでもどこでも誰でも行えるのがポイント
■カイゼンサイクルは開発プロセス全体で回さないといけない
・例えばこんなサイクル
Plan … 週計画会
Do … 朝会
Check … ふりかえり会
Act … ふりかえり会
・チームでリズムに乗り、見える化で仕事を進めるのがポイント
・振り返りに時間をかけない
→時間がかかるとみんな嫌がる
■付箋紙
・チームで振り返りするときのポイント
全員が気兼ねなく話せること
→でも難しい。やっぱり何かある
・だから付箋
■振り返り会の効果
・対話の場作りになる
メンバー間で話しやすくなる
話さないと疑心暗鬼になってしまうこともある
・ナレッジの共有ができる
個人の暗黙知の表出化、共有
・コーチング効果がある
目標達成に対する自主性が増す
知識を共有して腹落ちする
・チームビルディングになる
チームの行動規範が生まれる
チームに一体感が生まれる
目標達成をするための知恵や工夫が出てくる
・アイデアの創発が起こる
質の高いアイデアが生まれやすい
チームとして前向きな思考に
・きちんとしたファシリテーションがあればある程度達成できる
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演習 : ペアドロー
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■やり方
1. 2人一組になって絵を描く
→交互に一筆ずつ
制限時間は2分
2. 終わったら振り返り
3. 2人一組になって絵を描く
4. 振り返り
5. 2人一組になって絵を描く
■振り返りでやること
・毎回やること
それぞれKPTを書く
話し合いながらもっと出す
Tryから、次のペアドローで試すものを決める
・2回目以降行うこと
KeepからTryに移す
Problemから外せるもの
→これをやってからKPTを書く
左から1, 2, 3回目のペアドロー
ペアドローのKPT
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応用
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■KPTA
・KPTにActionを追加したもの
Tryだと具体的じゃない
天野勝様、アジャイルサムライ横浜道場様、ありがとうございました。
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