2012/03/31に開催された『アジャイルサムライ読書会 新宿道場#4』のノート。
今回の範囲は次のとおりです。
・第9章 イテレーションの運営:実現させる
・第10章 アジャイルな意思疎通の作戦
・第11章 現場の状況を目に見えるようにする
3チームに別れ、上記範囲内で話し合いたいことをそれぞれ決定し、ワールドカフェを行ないました。
以下はワールドカフェの成果物であるチーム毎の発表と模造紙を書き起こしたものです。
~発表~
1. チーム ギロッポン
アジャイルな分析は何をどこまでやればいいかというテーマについて。
■第1フェーズ
・分析は『やりたいこと = ゴール』を決めるもの
ウォーターフォールの場合は一番初めに全部決めるが、アジャイルの場合はその時点でやりたいことを決める。言い換えると、WFは固定でアジャイルはスナップショット。
・『分析 = 要求をまとめること』という話
この点においてウォーターフォールとアジャイルは同じように見えるのだが、やはり違いがある。
モックはアジャイルとFWでは観点が全然違う。ウォーターフォールのモックは、それを作ることは設計を作ることである。やることをびしっと決めてしまう。アジャイルではあくまでもある時点でユーザが欲しいもののスナップショットである。より深く掘り下げるための材料として作っている。
■第2フェーズ
・アジャイルのメリットとデメリット
メリット : 変化に強い。
デメリット : エンドが見えない。なので契約ができない。
・局所最適化
アジャイルでやるとどうしても視野狭窄に陥りがち。選択するストーリーの順番によっては局所最適が発生してしまい、全体から見た場合にイケてない、ということが起こる可能性が高くなる。これは事実なので注意していかないといけない。
局所最適化の有無はストーリーの選択にかかってくる。つまり、局所最適化を避ける為には優秀なプロダクトオーナーが必要。
・アーキテクチャジャンプ
機能面・技術面からアーキテクチャジャンプが発生する可能性がでてくる。アーキテクチャジャンプに対しては、リファクタリングを行うことでリスクが低減できるかもしれない。アジャイルでやる場合は絶えずアーキテクチャジャンプを意識している必要がある。
また、アーキテクチャジャンプは、増大したエントロピーを下げる為に発生する。なので、エントロピーを上げないようにストーリーを選択する必要がある。
なお、ウォーターフォールは一番初めに全て決めているのでアーキテクチャジャンプは起こりえないらしい。個人的には絶対そんなことないと思う。
■第3フェーズ
・BDDをもっとしりたい、という話
BDDは仕様(やりたいこと)を決めたあとで、受け入れテストを書くものだという話を聞いている。
で、TDDとBDDは本質的には同じだ、という話になり、BDDとTDDの組み合わせでやれば一番いいのではないか、ということになった。
2. 運用島
大きく分けて二つの話題があった。
■朝会のメリットって何?
朝会のよくある話として、ただ進捗報告会になってしまうというのがあるが、そういう朝会は無駄である。
朝会には、みんなでプロダクトを作る、チームを固めていく、というメリットがある。
また、個人で抱えている問題を他のメンバーがサポートする、というメリットがなければならない。
これをやるためには他の人が何をやっているのかというのをちゃんと意識していくことが必要である。
■レトロスペクティブを上手くやるには?
KPTをいきなりやれと言われてもなかなか出せないもの。
そういった人を巻き込むにはどうしたらいいか。
守破離でいうところの守の部分をやってもらおうというのが第一歩として必要なのでは?
強制的にKPTをやらせてみることが必要で、ルーチン化してしまってもいいので、とりあえずやってみよう、と。
慣れてくれば、トライに対してフィードバックをディスカッションする、ということをやっていけばいい。
それを繰り返していくうちに「自分達が変わった」という実感が得られるはず。
そういった実感(ゲームでレベルが徐々に上がっていくというような間隔)を得ることができれば、自分達からレトロスペクティブをやりたいなという気持ちになるのではないか。
3. 宇宙チーム
大きく分けて二つの話題があった。
■朝会のメリットって何?
朝会のよくある話として、ただ進捗報告会になってしまうというのがあるが、そういう朝会は無駄である。
朝会には、みんなでプロダクトを作る、チームを固めていく、というメリットがある。
また、個人で抱えている問題を他のメンバーがサポートする、というメリットがなければならない。
これをやるためには他の人が何をやっているのかというのをちゃんと意識していくことが必要である。
■レトロスペクティブを上手くやるには?
KPTをいきなりやれと言われてもなかなか出せないもの。
そういった人を巻き込むにはどうしたらいいか。
守破離でいうところの守の部分をやってもらおうというのが第一歩として必要なのでは?
強制的にKPTをやらせてみることが必要で、ルーチン化してしまってもいいので、とりあえずやってみよう、と。
慣れてくれば、トライに対してフィードバックをディスカッションする、ということをやっていけばいい。
それを繰り返していくうちに「自分達が変わった」という実感が得られるはず。
そういった実感(ゲームでレベルが徐々に上がっていくというような間隔)を得ることができれば、自分達からレトロスペクティブをやりたいなという気持ちになるのではないか。
3. 宇宙チーム
『カンバンにおける情報共有・同期の方法』『見える化を持続するための取り組み』というテーマを中心に話しあった。
■カンバンの鮮度
カンバンを使っていても、皆が進捗を実績どおり頻繁に必要なときに更新してくれるわけではない。
こういう場合は朝会で共有するのがよい。今日・今週・今後やることをデイリーで更新し、毎日の朝会で進捗報告することで持続させられる。朝会以外では全く更新しない人も、朝会に対してなら更新してくれるだろう。
■タスクの粒度やふせんの色などによる見える化
タスクの種類でふせんの色を分けることで見える化を進めることができる。
・どれが滞っているか
・時間がかかっているか
・何か優先順位で待ちになっていてまずい
など。
『agile do it!』でスクエニの事例が発表されていた。
■待ちカテゴリがあるとよい
待ちの原因をふせんで分かるようにすることで、相手を気遣うという事例があった。
「自分のタスクが終らないと、彼は何もできないんだ」と思って、そのタスクの優先順位を上げて作業してくれたことがあった。
なので、待ちの優先順位をわかるようにするとよいのではないか。
■ゲーム感覚
ふせんをToDo, Done, Doingと動かすことでゲーム感覚を得られる。Excelにはそれはない。
Doneに近づく = ゴールに近づいているということが意識的に感じられるので楽しくできる。
■タスクの粒度
ToDo, Done, Doingなどで、タスクの粒度についてチームで合意していることが大切。
やっている人はタスクの粒度は半日から1日、長くても二日、短くてもせいぜい一時間と思っていたが「30分単位でタスクをきりたい」という人がいた。
ふせんの粒度はタスクの管理コストと相関する。『ゲーム感覚』の話で言えば、タスクは細かい方がいいのかもしれないが、管理コストについてチームで認識していることも重要。
■カンバンとモチベーションの話
カンバンについて自分の仕事を自分で選ぶことができればモチベーションがあがる。
終ったものリストを作りDoneをそこに集める、どれだけ作業したかを説明できるし、やった仕事が溜まるのでチームのモチベーションになり、よい。
■カンバンとバーンダウンチャート
カンバンとバーンダウンチャートを一緒に表示しておく。イテレーションの中はカンバンを見ればいいし、総残量はバーンダウンチャートで見ることができる。
■カンバンを使うメリット・デメリットをチームで共有した方がよい
メリット・デメリットを説明した上で、使うか否か・どのように使うかをチームで共有し合意を得る。
そうすることでカンバンに対する拒絶反応を減らし、楽しくできるのではないか。
■進捗を取り繕うという話
チームの空気が悪くなるので犯人探しをしない。
イテレーション中はやることに集中する。
振り返りの時に『チームとして』なぜ遅れたかという原因を把握し『チームとして』今度どうするかを決める。
チームをコントロールすることが大切で、誰が犯人であるという話ではない。
■質疑応答
Q. 遅れた原因について教えるところのコストをどう考えるか?
A. 最初に教えることで得られるメリット・将来性を考え、見込みで教えるべきか否かを考える。
Q. タスクの粒度の基準は時間という話だったが、重要度によってはたとえ30分であっても切る必要があるのでは?
A. チームで合意ができていれば30分のタスクを切ってもよいのでは。
~模造紙~
1. チーム ギロッポン
■アジャイルな分析は何をどこまでやればよい?
□実装まで。でもウォーターフォールとはタイミングが違う
□分析でやりたい事(ゴール)を決める!
□分析って?
◆ユーザーストーリー
◆やりたいこと
□今はユーザーストーリーを出してユーザに見せる
◆全部始めにやった
◆最初にまとめてやったのは失敗だった?
□(アジャイルな)分析の定義は?
◆要求を決めることなんじゃない?
□メリット:変化に強い。デメリット:エンドが見えない。契約できない
◆局所最適化?
◇ストーリーの並べ方にコツがあるのでは
→どう予見? 回避は?
◇優秀なPOが欲しい。必要だよね!
□BDD
◆振る舞い駆動
◇Rubyが強いぜ!
◆RSpec
◆TDD
◆懇親会で!
□アーキテクチャジャンプの話
◆こまめなリファクタリング
□(アジャイル)受け入れテストを書いてから設計する(P.19)
□モックの意味
ウォーターフォールにおける→固定
アジャイルにおける→スナップ
□ウォーターフォールの場合は現行を全部調べる
◆アジャイルでは作るところだけ分析。ウォーターフォールは全部やってしまう
□ウォーターフォールでもモック作ってやってたけど?
◆アジャイルのとどう違う?
◇ウォーターフォールは全部作る?
→作って仕様を決めきってしまう
→設計書を作るためのもの
◇アジャイルは荒く作る
◇作ったモックを思い切って捨てるかどうかがアジャイルとの違い?
→小さく作っておかないと、捨てにくくなる
□ウォーターフォールの場合は全部決める→固定
アジャイルの場合はその時点でやりたい事を決める→スナップ
□ウォーターフォールもアジャイルも根本的には「分析」は同じじゃね?
2. 運用島
■朝会のメリットって何?
□個人のかかえている問題を他のメンバーがサポートできればメリット
◆それをやるには他の人が何をやっているのかをちゃんと意識しないとダメ
→かんばんとかで共有するとかいいかも
□チームを固める
□「みんなで作る」チームにする
□アジャイルでなくてもできるのでは?
□ただの進捗報告会は無駄。役割分担を明確に
◆イテレーションゼロで固める
□「裸の王様」リーダーへのアプローチ
◆どうしても話が通じなければリーダーの上の人にアプローチ
■ふりかえりのときにだんだんとルーチン化してしまう。レトロスペクティブをうまくやる方法は!
□ルーチン化でもいいからまずやってみる。慣れてきたらディスカッション
◆「変わった」という実感が得られればいい。
→マイナスをゼロにするKPTからゼロをプラスにするKPT
■「建設的」にフィードバックする言葉
※話の持っていき方はどんなものがあるのか
□(意見を)出せない人を巻き込むには
→とりあえず強制的に出させる
■?
□まず下のメンバーで結束
→そこからチーム
→リーダーをうごかす
□『人の動かし方』カーネギーのが参考になった
□「傾聴・否定しない」というルール決める
→でもリーダーの役割のことが多い
→打診するときに「メール+即口答」
■その他
□チームを分割して全員が話してタスク化する。重要
□朝会は偉い人が話す場合、あまり意味がないように感じる
□朝会では2~3分/人。話し込んでしまって失敗したなぁと感じる
□リードの人(スクラムマスター)が集まる打合わせは毎日あるが、20人規模
□振り返り→KPT→振り返り…
◆(KPTで)アウトプットはできる
◆どうフィードバックにつなげるかディスカッションできれば
◆改善していく”体感”って大事
□アジャイルな意思疎通
◆ウォーターフォール/アジャイルに関わらず必要。
□KPT
◆サイクルを作る
=re・input
◇tryを実行するのが重要
→かえられるという実感
→みんなから意見しやすい雰囲気
◇振り返りの振り返り
◇なぜうまくいかないのかを話あう
□他のチームが混ざって混乱したことがある
◆無関心を作らない雰囲気作り
◆内職したい人がいたら負け
3. 宇宙チーム
■カンバンにおける情報共有・同期の方法
"見える化"を持続していく為のとりくみ
カンバン向きのプロジェクトとは?
カンバン・ストーリーボードって本当に貼り出さなくても使える?
□進捗をとりつくろう組織で使えるか?
◆助け合うというマインド
◇和の文化
□タスクはふせんの色で種類分け
◆「待ち」カテゴリを作る
◇待ちの原因をふせんで分かるようにしたので相手が気遣ってくれたりした
□タスクを書き出す→思いっきり忘れられる
□タスク:ふせんの色で粒度をわけてカンバンに貼る
□ストーリーをタスクに細分化する
◆ふせんの色を変える
□自分の好きなタスクを自分で選ぶ(モチベーション)
□(タスク)1日1日、個人で振り返りをする
□(タスクボード)できるだけ時間を使わずに管理できるようにする
□終わったリストが必要
□周囲の人達にタスクボードの説明をしておくといい
□今週・今日・将来をデイリーで更新→持続させやすい
□ふせんをリズム良くうごかしてテンポよくしていた。ゲーム感覚
□ゲーム感覚 vs Excel管理
□タスクボードをスクエニは上手く使っている
◆スライドをwebで見られる
□ToDO, Doing, Doneというタスクの粒度をチームで合意することが大切
◆管理コストをチームで認識を持つ
□カンバン
・ライフハックの延長
・プロジェクト管理というよりタスク管理
・タスクの消化をゲーム感覚に
□フィーチャの実装はイテレーション。保守運用業務はカンバン
◆イテレーション中のわりこみ業務?
◆カンバンでフィーチャ実装 …見積もりは?
◇見積もりにバッファ持っておくしかない?
□カンバンを使うメリット・デメリットを共有しよう
□カンバンでタスクを終えるとゲームのような感覚になる
□カンバンとバーンダウンチャートを一緒に表示しておくといい
□カンバンは、一旦完成したものに対しての追加・修正に向いている?
□割り込みタスクとカンバン
・緊急レーン
・余裕を持ったアサイン
□フィーチャ開発はイテレーションがあってそう
□フィーチャ実装と運用でタスクの種類が違う?
□バグ・デフィーチャは別次元から差し込んでくる
◆バッファを持っておくしかない?
□アジャイル→守破離
□犯人探しをしない。チームとしてどうするか
◆チームをコントロールすることが大切
□朝会で共有
□アジャイルは哲学だ!
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