2012年4月23日月曜日

Infotalk#41

2012/04/20に開催されたInfotalk#41のノートです。


講演の内容も面白かったですが、質疑応答の話が(自分にとって)リアルで興味深かったのでこちらのノートをまとめました。話題が多岐にわたっているのですが、それぞれに「なるほどー」と思うところがあってよいです。 …もっと話を聞きたかったし、懇親会には参加すべきだったと素直に思いました。



◆モデリング

◇ユーザにモデリングしてもらうことの目的

まず、モデリングの目的について考える。成果物が目的なら専門家がやればよい。参加している人達に全体像を理解してもらうことが目的なら極力彼らにやってもらうようにした方がよい。技術を身につけるためには、見るだけではなく五感を使うことが効果的である。


◇概念モデリングを実生活の中で身につけるためにオススメの方法

本を買ってやってみてもわからない。講習会に行くか、経験者と一緒にやってみる。

モデリングには適正があり、できる人とできない人がいる。センスがある人は1日2日でも割とできるようになる。(あくまで山勘だが)まともにモデルできる人は5%くらいしかいないのではないか。ただし、できない人にも分かる日が来る。


◇いままでモデルを知らなかった人がモデルをとらえられるようになる、という変化について

(モデルを)とらえるというよりは、(モデリングを)分かってしまうというのが適切だと思う。

例えば、PBLの成果発表の際に聴衆からアンケートを取ると「あんなのでわかるわけがない」という回答がよくあり、やったことがない人がそう思うのは当たり前だと思うが、やっている人はPBLのやり方で分かってしまう。論理的な話としては怪しいが、そういうものがある。


◇論理だけでは達成できない世界がある?

論理だけで達成できる世界とそれだけでは達成できない世界があるのではないか。非科学的な話になるが、潜在脳みたいなものがあり、そこで問題意識を持ってとらえていると、ある日突然それが顕在脳に移り、「あぁ、なんだ…」というものになったりするのではないか。


◇モデルができる人とできない人の違い

本人が分かると思うかどうか。やってみて「なんだこれは」「こんなのやっても仕方がないじゃないか」と思ってしまう人はやらない方がいい。モデリングはあくまで特性の1つであり、それが全てではない。全員ができる必要はない。モデルと違う頭を持っている人は、自分の得意なところを伸ばせばよい。モデルに拘る必要はない。



◆情報システム業界

◇収入・就労形態及び業界について

雑誌などにIT業界年収ランキングなど掲載されていることがあるが、あれはあくまで平均年収。稼いでいるのはフリーでやっている人やコンサルティングファームにいる人。情報システムのSEという範疇だと余り稼げない。

日本の情報システム産業は人貸し業になってしまっており、人月幾らで人を貸すという話しかやっていない。なので、例えば月200万の人間の年収は7~800万くらいだし、60万なら年収200万くらいにしかならない。そういう意味で人貸し業としてのITベンダーは終っている。


◇CIOについて

日本にはまともなCIOはいない。これが上がりのポスト、という人がいっぱいいる。偉くなった人が最後の数年を過ごすポジションである。つまり、可もなく不可もなく終るということしか考えていないような世界。

◇情報システムの成熟度について

1. CIOがいらない世界

一番最初の情報システムはサイロ型。それぞれのシステムが独立。システムは特定の機能だけを表現する為のもの。インタラクションは皆無。情シ部の部長や課長がいて、次に何を作ればいいかが分かっていればいい。


2. 情報システム部の部長上がりでCIOが勤まる世界

コンピュータのスペックが上がってくると、インフラを統合しようという話になり、方法論を標準化しようという世界になる。情報システムの長には、技術の観点からシステム間の横串をさす技術が求められる。


3. CIOにビジネスの観点が必要となる世界
CSMなど、ビジネスの中で横串を指すという話になっていく。そうすると技術だけでなくビジネスの観点が必須となり、ビジネス出の人がCIOになる。これがここしばらくのトレンド。


4. 最近~今後の世界

ビジネス出の人がCIOになるというトレンドがあったが最近では逆になっており、実装方法が求められるようになっている(例えばホストと、PCサーバを並べてスケールさせるのではコストが全く違う)。こういう世界でシステムを考える為にはハイブリッドなスキルが必要になる …でもそんな人はいないので、ビジネスと技術の両方ができるチームを作り、対応していくような世界になっていくのではないか?





南波 幸雄様、KOYAMA Hiroshi (pk0612)様、ありがとうございました。

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