2012/12/15に開催された『Devlove2012 - 周りを巻き込みながら歩んできた関西人スクラムマスターの自分戦略』のノートです
◆講演者(中村洋氏)について
◇自己紹介
・大阪在住のエンジニア
・認定スクラムマスター
・5社くらいを2,3年くらいで渡り歩いてきた
◇コミュニティ活動
・devlove関西
→セッション10個
→100人を超える申込者があった
・スクラム道関西
→アジャイル実践者が集まる
→ワークショップでアジャイルの普及
・デブサミ関西
→来年は実行委員長
◇今日一番伝えたいこと
・「ええと思ったらやっていこう」
・人間、やらない理由はいくらでも出せる
→それだといつまでたってもできない
・そういう思考にそもそも入らないことにした
・フィードバックをもらうようにした
→厳しいフィードバックもある
→→でもそれがあれば方向転換、突き進むなど考えることができる
・フィードバックを得る環境を作ることが重要(仲間など)
◇自分戦略の源泉
・基本路線
→「ええと思ったらやっていこう」
・三つの柱
→チームの成長
→エンジニアをつなぐ
→スパイラルな成長
◇自分の源泉にあるもの - チームの成長
・仕事の仲間が成長していくのを見るのが好き
→時間、品質などが良くなっていく
→振り返りで成長している様を見られるのはうれしい
・成長させるのではない
→成長するのは彼自身
→成長できる環境を精一杯整える
→自分の経験を話すことはある
→→でも押し付けはしない
→しょうがない環境があれば整える
→→たやすく成長できるように
・「自分達でできるからお前はもういらない」
→こう言われるのが夢
◇自分の源泉にあるもの - エンジニアをつなぐ
・自分には世界を変えるようなコードは書けない
→でも、そういう人をつなぐのはちょっと上手かもしれない
◇自分の源泉にあるもの - スパイラルな成長
・主に自分自身へのモチベーション
→同じところをぐるぐる回るのはいや
・次に会ったときお土産を渡したい
→数ヵ月後も同じレベルのアウトプットをしているのはいや
・「この人と接点があれば自分にとってプラスなんだ」
→そう思われる存在でいたい
→でも他人にお土産を求めているわけではない
◇誰かの役に立ちたい
・これはみんな持っていると思う
◇そのためにどうするか
・自分でハンドルを握る
→周りに影響されずに自分の判断で
・そのために4つのことをやる
◇自分でハンドルを握るための4つのこと
→半年に一度の評価面談ではみんな話す
→→でも日常からやっている?
→言っているつもりでも全然伝わっていなかったりする
→→表明してやっていくこと = 自分のやりたいことをやる第一歩
・爪を砥いで準備
→表明するだけでは駄目
→→準備してるかどうかは表明の真剣さにつながる
→→→やっていた方が回りは認めてくれる
・雪かきをやる
→他の人がやりたがらないこと
→チームでやっているとそういうタスクが発生する
→→そのときに積極的に手を上げて拾っていくことを心がける
→→→信頼貯金が出来る
→そうすると、いいボールが回ってきたときにそれをまわしてくれる
→ムダだと思われているタスクは、自分が好きに出来る
→→効率化したり作業自体を廃止したりできる
→→→チームのためになる
・仲間を見つけて巻きこむ
→人間1人だとダークサイドに落ちやすい
→言い訳もしやすい
→「それは違う」と言ってくれる仲間は重要
■エピソード
◆とあるお客様にて(10年くらい前)
◇コンテキスト
・100人くらいの開発会社
・ほとんどお客様先に常駐
→自社には月に一回帰る
◇ここは面白かった
・こういうところはたいがいつまらない
→ここは違った
・技術的にとがっている人もいた
・常駐先のお客様がいろいろやらせてくた
◇前提
・お客様と自社の両方に信頼貯金があった
・何回か社内勉強会やっていた
→でもうまくいってなかった
→平日帰ってきた後
→→なかなかやらない
→客先常駐なので、普段は顔を合わせない
→→休日にわざわざそういう人と会おうとは思わない
◇こういう状況の中での問題
・独りでお客様先へ行くことが多い
→目の前のタスクでいっぱいいっぱい
→→技術を学ぶ機会がない
・結果として若手のモチベーションが低い
→言われたことだけやればいい
・これはもったいない
◇アクション
・チームに若手をどんどん引き入れていった
→本社に戻ったとき、姿勢のある若手とかいたらチームに引き入れる
→姿勢を重視
・ペアプロやレビューなど一緒に考える時間を多く取った
→タスク渡して放置という現場が多いがそうやらなかった
→→そういう時間を徹底的にとった
・魚ではなく魚の釣り方を教えた
→最初は釣れない
→→何回かやると釣れるようになる
→→→そのうち改善するようになる
・機能で分けてシステム開発
→工程で分けない
→「若手はとりあえずテストでも…」ではない
→→そうではなく、縦串で一通り任せる
→→→そうすると横のことも判る
→小さな開発だったのが功を奏した
◇起こったこと
・人を集めすぎたので自分の仕事が回らなくなった
→朝早く仕事を開始
→→同じ勤務時間でも、残業するよりはるかに仕事ができる
・指示待ちではないやり方を知ってもらった
→考えることでやりがいをもてるし、楽しくできる
→自分でいかようにもできる
→→ただ、全員がそうなったわけではない
・会社の数字にも貢献できた
→若手をどんどん引き入れたので
◇ここでのまとめ
・社外常駐でもやりようがある
→成長もできるし仲間も作れる
→諦めたりやらない理由にはしない
・自分で仲間を見つけて巻き込もう
◇わざわざなんでそんなことをやるか
・もっと顧客に価値を届けたい
・若手にこうすればいいのではと伝えたい
・そういう情熱があった
◇何で辞めたか
・会社が派遣主体に
→「翌月から○○に行って」みたいなのが多い
・チームから優秀な若手がはがされる
→彼らが転職してよい会社にいく
・もういいかなとなった
◆某SIer
◇コンテキスト
・6000人規模でサラリーマンSEはそれなりに多い
・とんがった人もたくさんいた(る)
・人材輩出企業
◇自分の状況
・本部系部門で社内向けフレームワークやツールを作成
・Redmineやjenkinsなど生産性向上のセミナーや勉強会の開催
◇問題
・勉強会に参加者がなかなか集まらない
→本社での開催ではそこそこくる
・これからとんがるかもしれない人達をつなげることができていない
→これからとんがろうとしている人が現場にはそれなりにいたにも関わらず
◇アクション
・ローラー作戦
→声を掛けまくった
→メール・社内SNS・ランチ
→→とにかく話しかけるようにした
→社内SNSでのみ面識がある人に、出張したときに直接会った
→→そうやって一本釣りした
→10人に声をかけて1人釣れると成功だと思う
◇ポイント
・全員が社内勉強会に熱心なわけではない
→大きい会社なので「粛々と定年まで給料をもらえればいい」という人もいる
・相手が何を求めているかを考える
→相手のメリットや不安を聞く
→→「今の業務ではすぐに役に立たない…」
→→「業務時間内なので上司の許可が…」
→→「勉強不足で怖くて…」
→→→すぐに使えるコンテンツを入れたりハンズオンして手取り足取りで教える
→→→相手が欲しいものを聞いて、内容を調整する
→→→マシンを持ってきてもらって明日もって帰って使えるようなもの提供する
・一部や全部を業務時間外に開催する
→「残業代はどうするのか?」という声
→→そういう人は放っておく
→組織がそういうことを言うなら、それはさっさと見切りをつける
・もっと上の人に働きかけてお墨付きをもらう
→上にの人はもっと人材育成とかそういう目線がある
→→彼らを口説く
→現場の人は目先のプロジェクトを見てしまう
・社外勉強会をそのまま持ち込む
→休憩の時間に見に来てもらう
→→突然当てられることや怖いこと、そういうことはないということを知ってもらう
◇Fearless change
・人が取るアクションには理由がある
→こういう組織はアーリーマジョリティが一番多い
→→アーリーマジョリティを巻き込むためにアーリーアダプターをいかに巻き込むか
・流れが出来れば自然にいける
→参加した人が、自主的にコミュニティを作ったりするように
→各部門にバラバラにいたリーダー達に連携が
・大きな組織でもうまく巻き込めば仲間を見つけコミュニティを作れる
・社外コミュニティの情熱で社内に(小さな)変化をもたせる
→パッション大事
◇なんで転職したか
・数千人が変わるのを待つには人生は短い
→1割でも変わればいいかとおもった
→→だけどそれも遠かった
・ユーザの声をもっと聞きたかった
→大きい会社なので間に他の部門が入ってしまう
・カットオーバー後の話をする機会がない
→そもそもチームが解散したりとか
◆今の会社
◇状況
・自社プロダクトサービスを作っている(ウェブブラウザ)
・職人肌のエンジニアが多い
→毎朝にgithub3時間使う人とか
→窓の社でノミネートされてるとか
・勉強会主催者もいる
◇やってること
・現在進行形で巻き込みしている
・3チームのスクラムマスタ
・部門の障害をやっつけたりもする
◇問題点
・ドライブ力が物足りない
→職人肌の人は自分である程度の問題設定を作れる
→→それを片付けることもできる
→でもビジネスとかユーザが苦手
→→そこの突破力がない
・開発プロセスが未成熟
→個人は当たり前のようにテストなどやっている
→→でも、組織としてみると俺々ルールが多い
→方向を間違えなければいいところにいくのに…
◇入ってやったこと
・姿勢を見つめなおしてもらう
→正解がない問題を自分達で考えるように
→よいブラウザって?
→→答えはない
→→→使ってみて始めてわかる
→仮説検証する姿勢重要
→→そういう取り組みをするようにする
・フィードバックを正面から受けられるように
→厳しいメッセージにも目を背けずに
→→そこから一生懸命考える姿勢を
・透明性を維持する
→朝会で自分のことを素直に話せる人ってどれだけいる?
→→上司の進捗会になっていることが多い
→→→それは朝会じゃない
→自分でタスクを取り、周囲が助ける
→→自分達で判断してやっていく
◇入ってやったこと
・ふりかえり
→wikiにいろいろ書いてもらう
→→書いてどうするの?
・テストコードがない
→テストを書こう
→→こんなの意味ない
→→→こういうのを改善した
・タスクボード
→redmineを使っていたけど…
→→進捗はよくわからない
→タスクボードを作った
→→朝会に持って行ったりしている
◇姿勢を変えるために
・社内勉強会
→『チーム力を上げる"朝会"のコツ』
→プロダクトオーナー勉強会
→ユーザストーリの作り方
・結果
→自律的なチームになりつつある
→チームのアジリティも上がりつつある
→→まだまだこれからできることがあると思う
◆最後に
◇コミュニティについて
・様々な経験を持ついろいろな人達の集まり
・それをどう使うかは自分次第
→話を聞いて終わるか
→自分のコンテキストに合わせて使うか
→使った結果からさらに相談したり
・仲間とめぐり合う部隊
◇何時に起きてるか
・22:00に寝る
→3:00に起きる
→→6:00に会社
→→→9:30に始業
◇情熱はすごく大事
・でも1人で燃やし続けるのは難しい
→周りを巻き込みように
→社内にいなければコミュニティで
・巻き込まれてくれている仲間にThanks!
◇「ええと思ったらやっていこう」
・「もうこんな年だから…」「こんな状況なので…」
→自分が勝手に作っている制約
・いいと思ったらその日から始める
中村洋様、CyberAgent様、DevLOVE様、ありがとうございました。
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