2012年12月8日土曜日

『スクラム道 EXPO 2012 - 午後のセッション』ノート - 2 / 2

2012/10/28に開催された『スクラム道 EXPO 2012』午後のセッションのノートです。間が空いてしまったので、パート1と2に分けました。

パート1はこちら


◆岩崎 奈緒己氏「分散スクラム」

オフショア & スケーリング(複数チームが連携してスクラム)について


◆海の向こうのスクラム(オフショア)問題と改善
・無理だと思う人たくさんいるのでは?
 →JIRA, Redmine
 →skype

◇問題:全員が映っているわけではない
・ビデオ会議なので起こる
 →誰が誰に話しているか分からない
 →こっちは盛り上がっているが、あっちは…
・解決
 →呼びかける
 →→「○○さんに質問です」
 →実況中継
 →→「○○がいます」
 →→「相談中だから待ってください」

◇問題:途切れる声
・「……が………の……………でいいですか?」
 →大事なときにこそ起こる
・解決
 →チャット
 →→話をしながら打つ
 →ビデオ
・会議用スライドを画面で共有する
 →アジェンダを写しながら話す
 →→その場でスライドに成果を書き込む
・直接行って会う
 →ぜんぜん違う

◇海の向こうのスクラムのまとめ
・特別なツールがなくても話し方やちょっとした準備で改善することが多い
・直接会ってどんな人か知ることが一番効果的(特に初期)


◆チーム連携(一箇所で複数チーム)問題と改善
・リリースバーンダウンを並べる
・全体の課題のためのボードを作る
・同期を作るためにマイルストーンのボード
・体制図

◇問題
・スプリント計画、レビューとか人が多い
 →合戦みたいになっている
・プロダクトバックログが大きい

◇2段階の会議
・多すぎる会議
 →基本はチーム単位で行うこと
・Scrum Of Scrumで連携
 →チームをまたぐ課題は別の会議体で

◇ストーリーマップ x バックログ
・1枚のシートに大量の項目・文字があったので対策
 →プロダクト全体をストーリーマップで表現
 →各チームごとのプロダクトバックログを作成
 →細かい受け入れ条件は別シートへ

◇スケーリングする場合のまとめ
・複数チームに関係することを話し合う会議体が必要
 →そうしないと「あのチームこんなことやってるの?」「聞いてないよ」とか生まれやすい
・各チームがプロダクトの全体像をつかめるような資料が必要
 →各チームが何やっているかは全体像があればだいたい掴める


◆崩れてしまったときの心の持ちよう

◇うまくいっていない場合
・みんなが「これでいいじゃん」で進めてしまった
 →「なんかおかしい。いや、絶対おかしい」となった
・オフショア・大規模だと問題が起こりやすいし複雑化しやすい
 →起こっても見えにくい
 →→チームではうまく行っていてもプロダクト全体では問題とか

◇止める
・そういうときは止めないといけない
 →まずはプロダクトオーナーに相談
・非効率なスプリントを中止する
 →冷静になりましょう
 →大きいものは小手先でやっても上手くいかない

◇消す
・でも緊急でやるべきことはやり切る

◇組みなおす
・情報を整理していく
 →大きなものから小さなもの
 →荒いものから細かいもの
・インセプションデッキが狂っているのにプロダクトバックログを直しても意味が無い

コンセプト
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ワークフロー・ストーリー
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タスク
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◇要求以外でも重要な情報は整理
・検討課題
・リスク
・周知、情報共有

◇1つずつ着実に行う
・みんなが見えるように
 →でも早く
 →→改善疲れが出てくるので

◇巻き込む
・1人でやっていても、周りがしらける
 →息が続くうちに
 →みんなが見放す前に

◇まとめ
・いかに状況を早く見える化するか
・いかに改善が目に見えるようになるか
 →それぞれ掛け算になっている
・プロセスを止めるのも組みなおすのも全員が疲れる
 →巻き込む気力とスピードが肝
 →引っ張るのではない

◇最後に
・『小さな工夫、大きな成果』が大事
 →大規模・オフショアって大きく見えるが、大事なのはちょっとした小さな工夫
 →→それを着実にやれるか
・できないのはそういう工夫を飛ばしているから
・誰がやるか
 →皆で
・ピラミッドになっていて「あの人が言ったからやる」ではない



◆上田 佳典氏「はじめての自己組織化」

◇自己組織化とは何か
・自分の言葉で説明できる?
 →脱コマンドアンドコントロール
 →タスクをアサインしない
 →クロスファンクション
 →優れたチームワーク
 →→いろいろある

◇ここで動画
・self-organization in hanoi traffic



 →信号がない
 →警官がいない
 →それでも自分達で状況理解・判断・行動
 →→外から指示されないというのがポイント
・『チームとして』最適な方法を自分で判断し行動すること
 →『自分として』ではない

◇どういう観点で考えるか
・ビジョン・ゴールを共有する
 →QCD + S
・長期的・短期的で考えることができる
 →ノウハウ共有
 →チームとPOの教育
 →→といった観点を踏まえ、自己判断で行動できるように
・全部インセプションデッキで話す内容
 →インセプションデッキを作って総合判断する
・デッキを作ったら放置でよい?
 →そうではない

◇スクラムマスター・プロダクトオーナー・管理職は自己組織を加速するためにどうすればよいか?
・補助輪になる

◇自分で考えて動くってどういうこと?
・自動車教習所で教わること
 →認知
 →判断
 →操作(行動)
・人が行動して失敗するときはこのどれかの段階でつまづく
 →スクラムマスター・プロダクトオーナー・管理職はつまづく原因を取り除く
 →→特に認知・判断をしっかりサポートする
 →→→ウォーターフォールの人に対しては特に重要

◇プラクティスで気をつけること
・朝会
 →個人のタスク整理ができていない
 →→状況と自分自身がやることを認知できていないから
 →朝会前にリマインド
 →→朝会前に整理するフェーズを入れられるように

◇それでも3つの共有事項がいまいちなことが…
・正直な思いを伝える
 →チームに共有事項の感想を求める
 →→そうやって自分の立ち位置を理解してもらう
・タスクを選べない
 →背中を押す
 →→「失敗してもいい。取っていい」
 →→→今まで失敗しないように仕事していると安全側に倒したがる
 →WIP(work in progress)の制限
 →→自分自身がやることをはっきりさせる
 →WIPがよくわからないならペアワーク
・プランニング
 →ストーリーの実装方法が分からない
 →→スキル不足
 →→消極的
・メタ情報の収集不足
 →プロダクトオーナーに聞けばわかることを聞けない
 →→請負根性
 →→スキル不足
 →プランニングで意見を求める(設計・実装・ストーリーポイント)
 →→「どう思う?」積極的に聞く

◇ポイント
・情報収集する
・自分で考える
・成長する

◇ふりかえり
・課題意識の欠如
 →KPTの希薄化
 →どこか他人事
・自分自身の成長戦略を立てられない
 →TRYがプロダクトの話ばっかり
・本音KPT
→本音で喋れる場をまず作る
→→楽天の藤原さんは、まずリラックスできる場を作るという
→期待を出し合う
→→「どうなって欲しいとか」お互いに求めるものをお互いに出し合う
・根本原因分析
→開発をやっているとじっくり考える暇がない
→→時間が無いならKPTせずにいきなり根本原因分析をするのもあり
→→→ゲームストーミングのSquid(イカチャート)
・じっくり考えることが重要

◇革新会議
・じっくり考える時間がない
 →でも重要
・成長するエンジンが欲しい
 →あればほうっておいても成長してくれる
・従来型の報告会議をビジョン・ゴールのメンテナンスの場にしてみた
 →自分の成長戦略を考える場に
 →→やり方はチームに任せる

◇大事だと思ったこと
・自橙明
 →釈迦が亡くなるときの話「自分で考えて決めろ」
・自分が明かりになって道筋を明るく照らす
 →自らが常に意思決定に関わるように

◇これまでのやり方が通用しないのは何故か
・他人が過去に決めた仕組みやルールだから
 →これからは状況に応じた"意思決定"自体が重要になる
・ソフトウェア開発でも適切なカードを切るスキルが求められる時代に

◇"答え"ではなく"答えを出す方法"を学ぶ
・でもそれだけじゃ足りない気がする

◇神々の意識改革
・お偉いさんの意識を変えてもらう
 →チームや個人を信頼し許可を与える
 →→そういう上司の一言と後押しは心強い
・神々からの支援
 →チームが解決できない問題を解決してみせる
 →→会議室の予約・組織をまたいだ勉強会etc.
 →→→社長に直談判して、社長を通して解決してもらったことも
・アジャイルのゴーサイン

◇まとめ
・チームとして最適な方法を自分で判断し行動すること
・観点
 →ビジョン・ゴールを共有する
 →QCD + S
 →長期的・短期的で考えることができる
 →ノウハウ共有
 →チーム・POの教育
・補助輪
・認知、判断、行動
・神々の意識改革
・信頼、許可、支援

◇最後に
「コマンドアンドコントロールからさよなライオン」






岩崎 奈緒己様、上田 佳典様、スクラム道様、ありがとうございました。


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